白鳥の湖
少し前のこと 夜ご飯を食べたあと 急に眠くなり ソファーで横になって眠ってしまいました。 そして夢を見ました。 私が誰もいない湖畔に一人たたずんでいると一羽の白鳥が足元に舞い降り、そして次から次にやってきて、いつのまにか私の回りは白鳥だらけになってしまいました。白鳥はクワックワッ クワックワッと一斉に鳴き声をあげています。 えーみんなどうしちゃったの? 私エサなんか持ってないってば! と焦りつつも目の前の光景にうっとりしていたところで目が覚めました。 主人に今の夢の話をしようとキョロキョロしたら、流し台の方から夕ごはんの食器を洗う音が聞こえてきました。 あ…まずい…食器洗ってくれてる(-_-;) 泡立たせたスポンジでワイングラスを洗う音がクワックワッ クワックワッと聞こえてきて 「白鳥の鳴き声じゃなかったんだ」 その夢の光景が忘れられず「白鳥の湖、描いてみよう」と思いました。“白鳥の湖”…クサイでしょう?いいんです。 壊れたシャンデリアを白鳥に見立てて描き始めました。 6月、北海道の醍醐芳春先生との二人展で一部を展示する予定です。
この写真はアトリエにやってきたモチーフ達です。 驚くべきことにシャンデリア以外(白鳥のためにリサイクルショップで買いました)生徒さんや知り合いから頂いたものばかりです。 「処分したいの。いわゆる断捨離なんだけど…長く使ってきて愛着があるから捨てるのは辛い、アトリエで描いてくれたら嬉しい」とのお申し出に大喜びして頂いたもの達です。 それにしても皆さん 一体どんな暮らしをしていらっしゃるのでしょう! なんでこんなに大きい宝箱? なんで三銃士の帽子? キジの剥製をくださったかたにお聞きしたら「主人達が狩りでしとめたものを剥製にしたの、お肉は美味しゅうございました」 三銃士の帽子は「ベニスのカーニバルで興奮して思わず買っちゃったんだけど…」
わかりますその気持ち!
旅目というやつで、私も現地の雰囲気にのまれて買ったはいいけどもて余しているものが沢山あります(笑)。以前、ベトナムで買ったアオザイも日本に帰って広げてみると「ちょっとこれ…こんな龍がとぐろ巻いてるやつなんか着れないよ」と旅目を恨みました。
しかし、もったいない!せっかく仕立てたのにと思い直し、ある夏の夕方に勇気を出してアオザイを着て買い物に出ました。ベトナム娘の真似をして自転車に乗って…。
調子にのってこいでたら急に、長い上着のすそが後部車輪にからまり 首が絞まって死にそうになりました(涙)。
助けていただいたガソリンスタンドのおじさんに
「死んでも知らんぞ!ちゃんと乗り方があるんだよ、こうやって裾をたくしあげて手に持って、だな…」
とアオザイ着用時の正式な自転車の乗り方を怒りながら教えてくれました。助けてくれて本当に感謝していますが、なんであのおじさんがアオザイに詳しかったのか 今でも謎です。
話がそれました。 庭の檸檬のたわわに実った枝を送ってくださるかた、切り落とした立派な松を届けてくださるかた、本当に有り難く、描くことで恩を返すしかありません。 描きたいものが沢山ある、有り難いことです。
何度も失敗しながら頑張ってみます!