セントラル美術館の個展も無事に終わりました。ご来場頂きました皆様にも厚く御礼申し上げます。

展示した中で、何人かのお客様に「あのモデルさんはどなた?」と聞かれた絵がありました。


oxana



この夏、忘れられない出逢い。



彼女から初めてメールをもらったのは8月に入ってすぐのこと。


私はドイツ人の24才の女性です。
仕事で、2週間ほど日本にいます。
あなたの画集を大阪の本屋で見つけました。
実際に、絵を見たいのですがアトリエに遊びに行ってもいいでしょうか?



という内容の英文でした。


個展まであと1ヶ月。

ゆっくり人とお話しする余裕はどこにもなかったのですが、飾らないメールの内容に、いったいどんな女の子なんだろう、私がバックパッカーで世界中を無謀に旅したのも24才くらいからだったな〜と、“若さ“と“物怖じの無さ”を懐かしみ、そしてみんな優しかったよな〜と思い、

「お待ちしています」

と、返信しました。



現れた彼女は華奢で、はにかんだ笑顔のとても魅力的な美しい女の子でした。

彼女はダンサーで、日本の何カ所かを回って教えていると言っていました。

ホームページはあるの?と聞いたら、無いわと言ったので、深く聞かずに、ジャズダンスとか教えてるのかなと思い、絵の質問に答えたりして過ごしました。


また遊びに来ていい?と聞かれたのでどうぞどうぞといい、本当に短い滞在の中何度か、大塚の狭いアトリエにやってきました。


私が描いていた線香花火の絵をみて「これはなに?」というので、ビルの踊場で線香花火をしたり、ポーズをとってもらい遊びました。

最後に来た日に彼女が

「今度の土曜日にダンスショーがあるの。私も踊るんだけど、是非観に来て欲しい。チケットはreceptionに置いておくから」

と言ったので半信半疑で主人と出かけました。



ホテルについて、びーーーっくり。


大広間は何千人という着飾った紳士・淑女で溢れていて、それはそれはゴージャスな“社交ダンスの世界”が繰り広げられていました。


壁には大きく『ワールドスーパースターズ ダンスフェスティバル』と書いてありました。

とにかく皆さん美しく着飾っていて、結婚式の披露宴の100倍くらいの派手さでした。


やばい…私達完全に浮きまくってるじゃん。

まるで舞踏会に迷いこんだカボチャとネズミのようでした。


アワアワしながら、テーブルでディナーを食べていたら、隣のこれまたゴージャスでとても綺麗な女性が私に話しかけてきました。

「社交ダンスはどの位なさっているの?」

「いぇ、あの、0ケ月…」

「嘘でしょう(笑)じゃなきゃ、こんな席座らないでしょうに」

何でも、チケットを入手するのも大変で、2月には売り切れてしまうそうです。


「あ、本当に。あの、オクサーナちゃんっていう子と仲良くなって、チケットもらったので来ただけなんですけど…。なんかオクサーナちゃん、今日、出るらしいんですよ、知ってます?」

と笑いながら言ったら、彼女は絶句してしまいました。


「あなたが言ってるのはOxana lebedewのこと? 彼女はラテンダンス界のprincessよ!皆、彼女目当てで来てるわよ。世界ランキングは、去年は3位だけど、今年はトップ狙うわね!まだ若いのに、ドイツではチャンピオンよ。」

と、興奮していいました。

私はまだ半信半疑でしたが、まもなくしてダンスが始まりました。

5組出場するうちの最後がオクサーナちゃんでした。

登場すると、隣のご婦人が

「どう?彼女がOxanaよ?」

「あ、本当だ、オクサーナちゃんだ!間違いありません!」




す、凄い。

スレンダーな体が発光し、踊りのテクニックは、本当に素晴らしい!でも、まず彼女の気持ちありきで、テクニックはあくまで表現の手段なんだと改めて気づかされました。

絵の話をアトリエでしていた時に、彼女が必死で話していたことはこれだったんだ、私は共感してるよ!と思いました。

夢のような一夜でした。

お礼にと描いたのが黒いオクサーナちゃんの絵です。

 

オクサーナちゃんと
 



今回の個展では、水彩画のほかにオクサーナちゃんのような素描、そして、TBSラジオ『安住紳一郎の日曜天国』のポストカード原画も展示させていただきました。


番組のスタッフさん、リスナーさん、中澤さん、安住さんにもお越し頂き、深く感謝しております。


その時の顛末を安住さんが、番組でお話下さいました。


ポストカード原画を展示しているところだけ異空間、みんないぶかしげに観ていると話されていましたがこんな感じでした(笑) 


nichiten
なぜか少し距離を置いて眺める人々。



私はここ何年か、日曜朝はこの番組を聴きながら絵を描いています。

安住さんの世界観に共感しつつ、中澤さんにも癒やされ、実に幸せな時間です。

10月2日の放送も初めは気づかず、あれ?これ私のこと?とわかってからは、悶絶しながら聴いていました。

人間、悶絶すると、本当に床をゴロゴロするのですね、初めて体験しました。

お時間のある時に是非お聴き下さい。

私については、かなり持ち上げて下さって(そして落とされて…)恐縮しておりますが、安住さんのトーク、本当に素晴らしいです。



TBSラジオ 『 安住紳一郎の日曜天国 』(2011年10月02日放送分)

散骨イラストレーターの正体」(視聴するをクリックして下さい)

 

 

追記
※今日、ついに母に内容がバレ、猛烈に怒られました。

 

 

2011/10/13

 

 

BACK