2010年、今年もよろしくお願い申し上げます

 

大学の頃の話

 サークルのメンバーでオリジナルTシャツを作るため、私がインクを買いに行くことになりました。

 

「神田のどの辺?文房堂じゃないの?地図書いてよ」

 

工芸科の鍛金を専攻していた友人が

「文房堂じゃなくてさ、小さな卸の店だよ。オレも店の名前とかわかんないんだよね。えっと…」

と言って彼は地図らしきものを書き出しました。


「いい?よく聞いて。なんか商店街の入り口にアーチみたいな看板があってね、そこをちょっといくと左に牛乳屋みたいのがあって自転車とかバイクがごちゃっと置いてあるの、その向かいに喫茶店かなぁ、レストランかなぁ、植え込みがあってね、その左隣が店だから。はい、じゃ、これ!」

 

渡されたクロッキー帳の切れはしには 彼の記憶によって描かれた商店街のスケッチが…

 

map
再現図


「やだよー(笑)これ見て探すの?」

「そうだよ、これとそっくりだから探せば絶対見つかる」


自信満々な彼と他の部員に見送られながら私は神田に向かい、小さなスケッチ頼りにその店を見つけ無事、インクを買うことができました。

難解でエキサイティングな地図を持ってのリトルジャーニーは、今でもその風景が頭に蘇がえるほど(たぶんかなり脚色されて!)印象的なものでした。

 

先日、笠井さんと初めて行く画廊に向かっていた時、自信のない私は「この辺の筈だけど…どうしよう、場所わかんなくなっちゃった」と言ったら

 

「大丈夫。このビルあったもん」

「え?来たことあるの?」

「Googleストリートビューでチェックしてきた」と答えたので、すごい!そう使うんだーと感心しました。

 

地図というより空間認識で場所を探している…そういえば笠井さんも“スケッチ地図”の彼と同じ鍛金出身だ〜!立体作る人はいつも頭の中に3Dで考える習慣があるんだろうなーと思いました。本当?

そして、 この“スケッチ地図”のように、今でも私の心に沈殿している街角やシーンを訪ねて描いてみたいと思いました。

先日 生徒さんに「今こんなの描いてるんだけど…」とその絵を見せたら 「あら、ここ…」と言うので「どこだかわかります?」と聞くと絵を指差して「わかるわよ。だって、いつも私、車でここ曲がるんだもの!」と、にこにこしておっしゃいました。

地図としては 合格だなとすこし嬉しくなりました。

 

otyanomizu
お茶の水

 

2010年が皆さまにとりまして暖かな年になりますよう。

 

2010/1/1

 

 

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