古の器に梅の香

 年末に主人の実家に行って昔に使ったお皿やお椀をもらってきました。ほこりまみれになりながら、納屋の奥からお皿やお茶碗を取り出して洗うと、鮮やかな菊や鶴の模様が現われて、わあっと思わず歓声をあげてしまいました。

お義母さんが「私がお嫁に来るのが決まって初めて挨拶にきたときにこの鶴のお椀でおしるこを出してもらったんだよ」と器にまつわる思い出話をたくさんしてくれました。朱い器を包んである新聞にはなんと昭和三年の日付が…!

もうこれは描くしかない、飽きるまで描こうと大切に持ち帰りました。庭に切り落とされて散らばっていた梅の枝も鉄瓶に入れておいたら開花し、何とも言えないよい香りです。立て続けに四枚描きました。いつでもまったく初めて向き合うモチーフには興奮します。この絵は一枚目で気合いが入りすぎてしまいました。

二枚目を描いていたときにカンマニさんが遊びに来ました。いつもモデルをお願いしているインドの女の子。器達を興味深く眺めていたので「ほらみて!これなんかこうもりの模様描いてあるの、こうもりなんてちょっと不気味だけど日本では縁起がいいんだってさ」と話していたら、カンマニさん急に「わぁ、何で亀の模様が描いてあるの?インドでは亀が部屋に入ったらもうそこは使わないほど縁起が悪いの」というのでびっくりしました。ところかわれば…ですね。アトリエには今、古の器達のなかに梅の香が漂っています。

2007.2.8

 

 

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