牡丹、その後

 

 前回のエッセイの牡丹が、初めに描いた固い絵なので、次の日から何枚か集中して描いたものを載せてみました。

私は気に入ったモチーフに出会うと“一枚目はとりあえず正確に写し取るように努力してみる”ことにしています。まず描いてみて、描いているうちに「こんな雰囲気で描いてみたい」「こんな色を使ってみたい」と自分の気持ちが浮かび上がってくるのを待ちます。
そして二枚目、じゃ今度はこうして三枚目…と一気に試していきます。幸い、描く速度は早いので、何枚も仕上がりますが 結局気に入るのはたくさん描いた中の一枚…と いうことで 打率はかなり低い。でもまぁこれしかできないのだから紙と絵の具は惜しまずに描くしかありません。

普段は太陽光で描くことが私の決めごとです。が、この牡丹に関しては日中に時間がとれなくて夜に描こうと蛍光灯のもとでセッティングしたら 全く描く気が起きず、下からスポットライトを当ててみました。すると艶かしい花々が浮かび上がり、うわぁと思いながら描きました。

 



描き上がって生徒さんに見ていただいた時の会話。

「昨日ね、私も近くの神代植物園で牡丹見たの。でもね〜、なんか、どう鑑賞していいのか、わからなかったのよ…牡丹って圧倒されちゃうっていうか」

彼女の気持ち、よくわかる。私も確かにそう。ダリア園や牡丹祭にいくと鑑賞の仕方がわからず 呆然としてしまう。その「豪華すぎてなんか照れちゃう」牡丹をアトリエの夜の光でみた時に、やっと目を合わせられた感じがしたのでした。

 

2008.5.7

 

 

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